2026年4月24日 市場メモ
日本株・為替・地政学リスクをやさしく整理
為替はドル円が159円台後半で高止まり。中東情勢と原油高、そして160円接近による為替介入への警戒が、相場の重しにも支えにもなっています。
1. ドル円の動き
ドル円は、直近では159円台後半で方向感に乏しい動きでした。Reutersのスポット表示では、確認時点で159.61円、当日レンジはおおむね159.34〜159.84円。160円に近づくと日本当局による円買い介入への警戒が強まりやすく、一方で中東情勢の不安や原油高はドル買い・円売り要因になりやすい状況です。 参考:Reuters
日本では3月全国CPIが発表され、生鮮食品を除くコアCPIは前年比+1.8%。市場予想通りで、為替を大きく動かすほどのサプライズはありませんでした。
米国では新規失業保険申請件数が21.4万件と、予想の21.0万件をやや上回りましたが、労働市場の急変を示すほどではなく、こちらもドル円の決定打にはなりませんでした。 総務省CPI 米労働省
2. 日経平均・TOPIX・S&P500の役割と動き
| 指数 | ざっくり役割 | 最新値 | 前日比 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 日本の代表的な株価指数。値がさ株の影響を受けやすく、半導体株の動きが出やすい。 | 59,716.18 | +0.97% | 半導体・AI関連がけん引。指数は強いが、全面高というより一部主力株主導。 |
| TOPIX | 東証全体の広がりを見やすい指数。日経平均より市場全体の体温に近い。 | 3,716.59 | +0.01% | ほぼ横ばい。プライム全体では値下がり銘柄も多く、物色は偏り気味。 |
| S&P500 | 米国大型株500社の代表指数。米国株の基準として世界中で使われる。 | 7,108.40 | -0.41% | 米国は地政学リスクと原油高が重し。テックの一角にも売り。 |
日本株データはJPX・Reuters、米国株は最新確定済みの米国通常取引を基準にしています。 JPX Reuters日本株 Reuters米国株
3. 地政学リスクの最新ポイント
| テーマ | 状況 | 市場への影響 |
|---|---|---|
| 中東・ホルムズ海峡 | 大型タンカーの通過が急減し、原油価格の上昇要因に。 | 原油高、円安、輸入インフレ懸念。資源・商社には追い風、航空・消費関連には重し。 |
| ロシア・ウクライナ | EUが対ロシア第20弾制裁を採択。 | エネルギー、LNG、海運まわりのリスクプレミアムが残りやすい。 |
| 中国・台湾 | 中国が台湾向け武器取引を理由に、欧州7社へのデュアルユース品輸出を規制。 | 半導体材料、レアアース、防衛関連の供給網リスクが意識されやすい。 |
ホルムズ海峡:Reuters EU制裁:EU理事会 中国輸出規制:Reuters
4. 東証プライム主要株の値上がり・値下がり上位
値上がり率トップ5
| 順位 | 銘柄 | 終値 | 前日比 | 主な要因 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ラサ工業 | 2,059円 | +20.06% | リサイクル関連テーマや需給面の物色が意識された可能性。短期資金が入りやすい動き。 |
| 2 | トーメンデバイス | 14,620円 | +19.06% | 大幅増益着地、来期も最高益見通し、増配予想が好感されました。 |
| 3 | イビデン | 12,540円 | +12.62% | 米インテル株の時間外上昇を受け、半導体パッケージ基板への期待が波及。 |
| 4 | 牧野フライス製作所 | 11,790円 | +11.54% | 日本産業推進機構による買収提案報道が材料視されました。 |
| 5 | メック | 9,230円 | +11.10% | 目標株価引き上げや半導体材料人気が追い風。上場来高値更新も買いを誘いました。 |
値下がり率トップ5
| 順位 | 銘柄 | 終値 | 前日比 | 主な要因 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ストライクグループ | 1,217円 | -15.66% | 上期経常利益予想を下方修正。業績への警戒が強まりました。 |
| 2 | KLab | 258円 | -14.57% | 前日の急騰後の反動安。短期資金の利益確定が出やすい形でした。 |
| 3 | コニカミノルタ | 493.8円 | -10.64% | 直接の明確な材料は限定的ながら、投資負担や需給面への警戒が出た可能性。 |
| 4 | 第一三共 | 2,499円 | -10.43% | 年次決算発表の延期を嫌気。がん領域ポートフォリオ見直しへの不安も重なりました。 |
| 5 | キヤノン | 4,024円 | -7.90% | メモリーコスト上昇を背景に、通期利益予想を下方修正。 |
値上がりランキング:Yahoo!ファイナンス 値下がりランキング:Yahoo!ファイナンス トーメンデバイス:株探 キヤノン:株探
5. 昨日のニュースで影響が大きかったもの
もっとも分かりやすく市場に波及したのは、米半導体関連の好材料です。米テキサス・インスツルメンツが強い見通しを出し、米国市場で大きく上昇。これを受けて、日本でも半導体関連に買いが入りました。
一方で、国内ではキヤノンの通期利益予想引き下げが目立ちました。売上は増えていても、メモリー価格上昇などのコスト負担が嫌気され、株価は大きく下落しました。 米国株:Reuters アドバンテスト:Reuters キヤノン:株探
6. 次の株価に影響しそうな材料
カレンダー上の翌日である4月25日は土曜日のため、日本の現物株市場は休場です。実務上は、4月27日(月)以降に効きそうな材料を見ておきたいところです。
注目2アドバンテスト決算
注目3東京エレクトロン決算
注目4中東情勢と原油価格
注目5米大型テック決算
特に半導体株は、来週の決算と米大型テックのAI投資見通しに反応しやすい局面です。地政学リスクが強まる場合は、原油高を通じて資源・商社・海運に買いが入りやすく、航空・消費関連には重しとなりやすいです。 来週の市場テーマ:Reuters JPX取引時間
7. 東証プライム主要株の決算情報
先週〜直近で目立った決算
| 銘柄 | 発表日 | 内容 | 市場の受け止め | 発表後の株価 |
|---|---|---|---|---|
| キヤノン | 4/23 | 1Q売上高は前年比+3.3%だった一方、営業利益は前年比-26.1%。通期営業利益計画を4,790億円から4,560億円へ引き下げ。 | コスト上昇と利益計画の下方修正を嫌気 | 4/24終値 -7.90% |
| トーメンデバイス | 4/24 | 26年3月期の経常利益は+80.6%。27年3月期も増益見通し。年間配当は600円予想で60円増配。 | 増益・最高益見通し・増配を好感 | 4/24終値 +19.06% |
来週の主な決算予定
| 日付 | 銘柄 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 4/27 | アドバンテスト | AI向け半導体テスター需要がどこまで続くか。日本株全体への影響も大きめ。 |
| 4/27 | 日東電工 | 電子部材・高機能材料の需要動向に注目。 |
| 4/28 | 日本取引所グループ | 市場活況による収益影響、株主還元の姿勢に注目。 |
| 4/30 | 東京エレクトロン | 半導体製造装置の受注・AI関連投資の見通しが焦点。 |
8. 半導体銘柄の株価動向
今日の半導体関連はかなり強めでした。特にAI・HPCに近い銘柄、テスター、検査装置、高機能基板、半導体材料に買いが入りました。一方で、汎用半導体や自動車向けに近い銘柄は選別されており、半導体なら何でも上がるという地合いではありません。
| 銘柄 | 前日比 | 見方 |
|---|---|---|
| アドバンテスト | +5.52% | AI向けテスター需要への期待が継続。 |
| 東京エレクトロン | +0.81% | 大型半導体株として底堅い動き。 |
| イビデン | +12.62% | 高機能パッケージ基板期待が強い。 |
| SCREEN HD | +2.66% | 半導体製造装置関連として買い。 |
| レーザーテック | +3.82% | 検査装置関連として物色。 |
| ルネサス | -4.82% | 汎用・車載寄りの需要回復の鈍さが意識されやすい。 |
アドバンテスト:Reuters 東京エレクトロン:Reuters イビデン:Reuters ルネサス:Reuters
9. 日本と米国の主要株の動き
| 地域 | 強かった銘柄 | 弱かった銘柄 | ざっくり整理 |
|---|---|---|---|
| 日本 | アドバンテスト、イビデン、レーザーテック | キヤノン、ルネサス、第一三共 | AI・半導体関連が強い一方、業績下方修正や開示延期には厳しい反応。 |
| 米国 | テキサス・インスツルメンツ | IBM、ServiceNow、テスラ | AI・半導体の一部は強いものの、ソフトウェアや消費関連の一角は重い。 |
10. 今日の経済雑学
そんな時はTOPIXや値上がり・値下がり銘柄数も一緒に見ると、相場の“本当の広がり”が見えやすくなります。
最終確認:2026年4月24日 23時台(JST)時点。市場データは確認時点の公表値・報道ベースで整理しています。
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